―どんな仕事をしていますか

さかえやは志賀高原の麓、歴史ある渋温泉にあります。私は現在、予約管理や電話対応などフロント業務をしています。当社は、全員がフロント、サービス、キッチン、ハウスキープの全部署を経験し、誰が欠けても仕事が回る仕組みを社員主導でつくっている点が特徴。私も入社10年間で各部署を経験し、採用担当を務めたことも。若手がマネジャーに起用されることもあります。お客さまの中には、記念日などの特別な日を過ごす場にさかえやを選んでくださる方もいます。お客さまの「誰かを大切に思う気持ち」に寄り添い、ご家族や大切な人との絆が深まるお手伝いをしたい―というのが私たちの思い。そうした接客はスタッフの連携があってこそできるものです。仲が良いことに加え、全員が責任感を持って積極的に働くことで、ワンランク上のおもてなしを目指します。

―ここで働くことにした理由

板前を目指して就職活動をしていましたが、当時の私には「こうなりたい」という夢や目標は特にありませんでした。当社を見学した際、社長から「お客さまもスタッフも笑顔で優しくなれる宿を目指している」と聞き、従業員の「人としての成長」を重視しているところに魅力を感じました。入社後3年間は板前修業をしていましたが、ひどい手荒れでドクターストップに。退社も考えていたところ、社長の勧めで現在の旅館業務に異動し、今もこうして仕事を続けられています。また、当社のスタッフは県外出身者が多く、約9割が寮生活。私も入社8年目に社内結婚するまで、寮で同僚たちと3食を共にしてきました。寮費が格安という経済的なメリットもあります。旅行やスポーツ大会といった行事もあり、仲間と一致団結して働きたい人には最適な環境だと思います。

―仕事のやりがいは

さかえやは、全国の旅館・ホテルがおもてなしや人材育成の取り組みを競う「旅館甲子園」で2015年と17年、2大会連続で日本一になりました。私は15年の大会の際にリーダーを務めました。決勝進出の5施設に選ばれた時は、社内の雰囲気の高揚と団結を肌で感じました。日々の業務と並行して皆で30分間のプレゼンの練習をし、ステージの効果的な見せ方や発表方法を検討。結果もですが、大変な準備を全員で乗り越えたことによって、より大きな感動や達成感を得られたことが貴重な経験でした。私は近年、「従業員が輝く」と題して、一般企業や学校で講演もしています。自分の生かし方や得意なことを見つけたり、人生の目標や自信を持てたりと、自分が社会人になって学んだことを発信して多くの人にエネルギーを届けることができ、とても幸せです。