夏季インターンシップ(就業体験)は、4年次から始まる本格的な就職活動に先駆けて企業と接点を持ち、自身を成長させる絶好の機会です。企業や業界への理解を深めるだけでなく、内定につながる重要なステップとなる可能性もあります。
本記事では、夏休み期間中に実施されるインターンシップや仕事体験を「夏季インターン」と位置づけ、この機会を最大限に活用し、周囲に差をつけるための戦略を3つのポイントに集約して解説します。書類選考(ES)・面接対策から参加後のマナーまで、しっかりチェックして就活を進めましょう!
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目次
1. 夏季インターンへの参加メリット
2. インターン選考突破の鍵:ES・面接で評価を高めるには
3. インターン参加中の戦略:現場での姿勢が未来を変える
4. 参加後こそ大切に:内定へつなげるためのフォロー
5. まとめ:夏季インターンへの参加は就活を成功に導く
1. 夏季インターンへの参加メリット
実践を通じた深い理解を得られる:業界・企業・自分自身
夏季インターンは、就業体験を通じて業界や企業、そして自分自身への理解を深める場です。会社の雰囲気を知ることで、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。
仕事への理解を深める :
ビジネスシーンを想定した課題が提示され、応募者が解決策を発表する。制限時間内で考え、論理的に伝える力が問われる
複数の企業を比較する :
複数社のインターンに参加することで、企業文化や働き方の違いを具体的に比較できる
自分の強みや興味を知る :
自身の課題、仕事への適性、どんな仕事に興味があるのかといった自己理解を深める
早くから企業のイベントに参加することで好印象を残す
「早期から会社に興味を持っている」というアピール :
夏季インターンへの参加は、企業からすると「早くから興味を持って就職活動をしていた」という印象につながる
「主体性がある」と思われる :
自ら情報を集めて早くから行動する姿勢は企業にとって「求める人材」の可能性がある
長期的な関係を築く :
夏のインターンなど企業の早期イベントへの参加は、志望度の高さを示すため印象も良くなり、関係構築につながる
特別選考へのチャンスも?
「インターン生に向けた選考がある」という企業の話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。実際のところ県内企業ではどうなのかについてお伝えします。
選考の免除 :
長野県内企業においては多くないと考えられる。2024年12月に県内企業50社に取ったアンケートでは、インターンシップへの参加で、ESや一次選考の免除といった選考通過に直接的に関わるメリットがあると回答した企業はいなかった
別ルートでの選考 :
企業によっては、夏季インターン参加者に対して通常の選考ルートとは別の選考ルートを用意する場合がある。通常選考と比較し時期が早い場合が多い
長野県就活ナビ事務局担当者が県内人事担当者や大学の担当者と話す中で、夏季インターン経由の内定は珍しくないと感じます。今後も、インターン経由での内定は増えていくことが予想されます。他の年度と比較して採用数が変わらない場合、通常選考で採用になる人数は相対的に減少するので、希望する企業がある場合はまずインターンへの参加を検討しましょう。
2. インターン選考突破の鍵:ES・面接で評価を高めるには
夏季インターンには選考がある場合がありますが、本選考のように十分な準備が必要です。
よく企業を研究していることが伝わる志望動機をつくる
ESや面接で最も問われるのは、「なぜこの企業のインターンに参加したいのか」という志望動機の具体性と一貫性です。表面的な理由ではなく、熱意を伝えるためには企業研究が必須です。以下に示すポイントをすべて答えられるようにして、「自分がなぜ行きたいのか」を明確にしましょう。
事業への共感を示す :
どの事業領域に、なぜ興味を持って参加したいのかを明確にする
競合企業との違いを把握する :
志望企業ならではの魅力を自分自身の言葉で語れるように準備する
自身との接点を例示する :
過去の経験や価値観が、企業の理念や事業とどう結びつくのかを示す
企業への深い理解は「本気で働きたい」という熱意を証明するためには不可欠です。企業の公式サイトに加え、展開しているサービス、業界動向や立ち位置を知ること、OB・OG訪問を行うなど多角的に情報収集をしたうえで、企業の強みや課題、自身が貢献できることをまとめましょう。ほかの人とは違う自分ならではの志望動機を伝えられます。
貢献がイメージできる自己PR
自己PRでは、自分の長所を述べるだけでなく、「その強みをインターンで、またはその会社でどう生かせるか」を具体的に示すことが重要です。
強みをキーワードに :
まず初めに、自分の強みを「粘り強さ」「巻き込む力」など短いキーワードで表現し、その後に続くエピソードの内容を理解してもらう
エピソードの具体化 :
数値や状況描写を交え、強みが発揮された経験を語り、信ぴょう性を高める
できることを伝える :
自分の強みがインターンでどう貢献できるかを具体的に示す
企業が求めている人物像と自身の強みを重ねられるよう企業をよく研究し、効果的に伝えることが大切です。
練習と改善を繰り返す面接対策
面接は練習量に比例して慣れていくことができ、自信を持って話せるようになります。
頻出質問への万全な準備 :
志望動機、自己PR、「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」などは、具体的なエピソードと共に自分の言葉で自然に語れるようにする
本番を意識した練習を :
時間配分を意識します。オンラインの場合は環境設定の確認も忘れずに
第三者に見てもらう :
キャリアセンターなどを活用しながら、得たフィードバックを改善につなげることが成長の鍵
練習を通じて自信をつけ、本番で伝えたいことをしっかりと伝えられるように準備しましょう。必ずしもスムーズに話せる必要はありません。自信を持って思いを伝えられれば、それで十分です。
3. インターン参加中の戦略:現場での姿勢が未来を変える
インターンへの参加選考をクリアしたら、いよいよ本番ですね。採用選考への直接のつながりの有無にかかわらず、「インターンシップ」や「仕事体験」で好印象を持ってもらうことは大切です。ここでは、実際に参加している間に意識したい3つのポイントをご紹介します。
与えられたこと+αの姿勢を見せる
ただ指示通りに動くだけでなく、「業務への積極的な姿勢」が企業からの印象を大きく変えます。
積極的に質問する :
疑問に思ったことはそのままにせず、理解を深めようとすることが大切
+αの行動 :
例えば業務中に感じた課題を自分なりに考えて提案してみるなど、主体性を見せる
態度は特に見られている :
インターン中の態度や関わり方を見て「一緒に働きたい人かどうか」を企業側も考えているかも
周囲とのコミュニケーションを大切にする
ビジネスの場では、スキルよりも「人とどう関わるか」が問われます。社員や他のインターン生との関わりも大切にしましょう。
あいさつ・返事をしっかり :
基本的なマナーだからこそ、印象を大きく左右する
社内の雰囲気を読む :
オフィスの空気感や、社員同士のやり取り、上司との会話などから、企業文化を読み取る
積極的に交流する :
懇親会やランチなどの業務を離れてカジュアルに話せる場も、関係性を築くチャンス
「学び」に変える視点を持つ
ただ過ごすのではなく、よく考えて「学び」に変える必要があります。「なぜこの仕事が必要なのか」「この人はなぜこういう判断をしたのか」といった“目的”や“背景”に目を向けてみましょう。
「なぜ?」を意識する :
指示された業務や社員の発言の意図を考えることで、理解が深まり、次に生かせる学びになる
気づきをメモする :
インターン中に感じたことをその場で書き留めておくと、終了後の振り返りやESに役立つ
自分の変化を記録する :
最終日に「参加前と後で自分は何が変わったか」を振り返ると、成長の実感ににつながる
4. 参加後こそ大切に:内定へつなげるためのフォロー
インターンは参加して終わりではありません。その後の行動を完璧にすることが、内定獲得の大きなポイントです。
得た経験を生かすために
インターンで得た経験や学びを整理し、言語化していきましょう。そうすることで、本選考に備えることができたり、他の企業を受けるときに参考になるはずです。
印象的な体験を思い出す :
心に残った業務、言われた言葉、職場の雰囲気などを書き出す
学んだことを整理する :
業務内容、業界知識、人間関係など、得られた学びを多角的に分析し、まとめる
自分の考え方が変化したことはないか :
参加前後での考え方や行動の変化も記し、今後の就職活動の指針の参考にする
この振り返りが、実際の採用選考でのエピソードに深みを増し、説得力を高めます。KPT法【Keep(良かった点)と Problem(課題)を洗い出し、Try(改善)を導く】)等のフレームワークを活用するのも有効です。
感謝と熱意を伝えるお礼の連絡
インターン終了後の企業へのお礼メールは、社会人としてのマナーであると同時に、感謝と熱意を再度伝える大切な機会です。
得た経験を伝える :
印象に残った内容や学びを添え、感謝の気持ちを具体的に伝える
個別の謝意 :
特にお世話になった社員には、その人に宛てて感謝を伝えるとより丁寧な印象を与える
終了後なるべく早く送る :
終了後は当日か翌日に送ることで、誠意が伝わりやすくなる。夜遅くになってしまう場合は、翌日の朝に送るのがベター
インターンのお礼メールの文例はインターネットで調べればすぐ出てきますが、最初の書き出しと最後の締めの文章だけは参考にしつつ、なるべく自分の言葉で伝えてみましょう。
継続的な情報収集と接点で本気度をアピール
インターン後も企業への関心を持ち続け、情報を追って接点を持ち続けることで、就職への意欲を伝えることができます。
公式情報を定期的にチェック :
採用サイトやSNSで最新情報を逃さずキャッチ
関連イベントへの積極参加 :
説明会やOB・OG訪問に積極的に参加し、顔を覚えてもらう
企業の人事担当者に「顔を覚えてもらう」ことは困難なことのように感じますが、そんなことはありません。人事担当者が工夫して準備したイベントや企画に対して、意欲的に参加してくれる学生は特に印象に残るものです。長野県内の企業は「人と人」のつながりを大事にする企業も多いですので、長期的に接点を持ち続けましょう。
5. まとめ:夏季インターンへの参加は就活を成功に導く
夏季インターンは、就職活動の序盤においてとても重要な機会です。事前準備から参加後のフォローまで、一つ一つの行動を丁寧に行うことで、これからの活動に大きなメリットをもたらすでしょう。
選考の特別ルートの活用 :
インターン参加が内定への近道となる可能性がある。企業に特別ルートの用意がない場合も、参加の経験が本専攻時に生きる場面がある
実践を通じた深い自己・企業理解 :
キャリア選択の軸を明確にする貴重な経験になる。興味の発見や業界への理解が進む
継続的な関係構築の重要性 :
長期的な視点で企業とのつながりを育むことが鍵
本記事で示したポイントを参考に、夏季インターンを最大限に活用し、2027年卒の就職活動へ確かな一歩を踏み出しましょう。この夏の経験が、皆さんの輝かしい未来へつながることを心より願っています。
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執筆者プロフィール
味澤 泰征|長野県就活ナビ事務局
2018年に信濃毎日新聞に入社。マーケティング局所属。学生の長野県内企業への就職を支援する「長野県就活ナビ」の企画・運営に関わって5年目。県内の大学で就活講座の実施経験もあり。岡谷市出身、県外の大学に進学し、Uターン就職。趣味はゲームとパソコン。