長野市は本年度、市内企業の効果的な採用活動と、市内で就職する若者の増加につなげようと、市内在住・在学などの学生が企業の魅力を掘り起こして情報発信する「長野はたらく大使」に大学生15人を任命しました。大使たちの約2カ月間の活動内容と感想を紹介します。
〈 2023年11月29日 〉任命式
大使たちは荻原健司市長から任命書を受け取り、「希望するキャリアや人生がかなえられる街にするには学生の皆さんならではの視点や意見が重要なので、市内の企業で働く魅力や課題を発掘、発信してもらえることを期待しています」と激励を受けました。
〈 2023年12月〜2024年1月 〉オープンカンパニー
事業に参画している市内8社を、3〜5人ずつで訪問しました。経営者や人事担当者、先輩社員と対話や意見交換をしたほか、工場や現場の見学、営業などの業務体験やグループワークを通し、長野で働く面白さや、働きやすい環境づくりに向けた課題を探りました。
〈 2024年1月31日 〉報告会
参画企業8社の採用担当者らを前に、オープンカンパニーで印象に残ったことや企業への要望、活動を通しての感想などを、1人ずつスライドを示しながら報告しました。座談会もあり、和気あいあいとした雰囲気の中で率直な意見を伝えました。
長野はたらく大使の声
清泉女学院大学 人間学部 3年生 H.H.さん
長野都市ガスでは営業のグループワークをしました。お客さまが抱えるさまざまなニーズを踏まえて、うまく提案できた時はやりがいを感じられそうだと思いました。また、お客さまの目線に立って親身になって提案することの大切さを感じました。長野市にもさまざまな業種の企業があると実感できたので、「県外に行かなくても選択肢がたくさんある」と今後もPRしたいです。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 2年生 A.M.さん
北條組ではAIやドローンも駆使していて力仕事だけではないと知りました。長野證券では、株価が動いた時などにはお客さまに自分から連絡をして、コミュニケーションを大切にしていると聞きました。これまでは、建設業はガテン系、証券会社は“お堅い”のかなという印象もあり、あまり関心がある業種ではなかったのですが、訪問したことでそうしたイメージが変わりました。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 2年生 S.Y.さん
R&Cながの青果では模擬商談に臨み、提案書の作成も体験しました。若手の活躍や、顧客からの信頼の厚さなど、働いている皆さんの魅力を感じ取れました。余った果物を廃棄することなく生産者の収入につなげる仕組みとして、販売先のスーパーや産地と連携してドライフルーツを商品化するなど、農業を巡る課題を強く意識していることも印象的でした。
清泉女学院大学 人間学部 3年生 S.R.さん
働くことや就活にネガティブだったので、働く意味を見つけたくて大使になりました。新光電気工業では半導体は社会に欠かせない存在だと知り、製造業に興味を持てました。R&Cながの青果では模擬商談を体験し、「やる気があれば専門知識も身に付くから大丈夫」と言ってもらえて安心できました。大使の活動を通して働くイメージがつき、就活の可能性を広げることができました。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 2年生 I.T.さん
中央電機工業は主に水力発電の装置やシステムの設計から保守まで一貫して担っていて、だからこそお客さまの細かなニーズに応えられるのだと納得できました。長野證券では株式提案も体験しました。一人一人に合わせた提案ができるよう、会社が研修や資格取得を支援し、働く皆さんがスキルアップに努めていることがお客さまからの信頼につながるのだと感じました。
清泉女学院大学 人間学部 3年生 T.R.さん
甲信マツダでは営業の体験をしました。私は「営業は自分には向いていない」という意識があり、実際に頭が真っ白になってしまいましたが、それでも意外と楽しくできたんです。お客さまによっては触れてほしくない話題もあると思いますし、配慮しながら会話を長く続かせるのは大変そうですが、営業は商品を売るだけでなく、お客さまとの関係づくりがとても大切な仕事だと実感できました。
清泉女学院大学 人間学部 1年生 I.A.さん
長野市の大学に進学したことをきっかけに、もっと長野の魅力を知りたいと思い、大使になりました。長野県信連と甲信マツダを訪問し、どちらも特色や良い所がすごく伝わってきて「こういう会社に勤めたい!」と思えました。企業には“長野県ならではの魅力”ももっと発信してほしいなと感じます。そうすれば、地方から都市部に若者が流れることも防げるのではないでしょうか。
信州大学 繊維学部 2年生 K.K.さん
大学のサークルで県内企業と学生をマッチングさせる活動をする中で、企業からは「今の学生が何を考えているのか分からない」という声も聞いていました。学生が求めていることや価値観、描いている未来にぜひ耳を傾けてもらえたらいいなと思います。私は今回の訪問で、業種に対して抱いていたイメージが変わりました。学生の皆さんにはインターンなどを通じて、働く人や企業のリアルな姿を見てほしいです。
清泉女学院大学 人間学部 3年生 Y.H.さん
2社を訪れて、どちらも“女性が少ない業種”という印象を抱いていましたが、1社では実際に子育てをしながら働いている女性社員の様子を見ることができ、柔軟な働き方ができると感じられました。もう1社では女性も活躍していると聞きましたが、実際に働いている人には会えなかったので、自分が働いている姿を想像するのが難しかったです。女性が働く場面をもっと見たかったです。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 3年生 F.A.さん
就活を始めた時は県内で働くことを考えていませんでしたが、選択肢を増やしたくて大使になりました。中央電機工業では、CADや回路作りの体験で若手の人に教えてもらい、若いうちから活躍できる職場だと感じました。サービス業に興味がありましたが、ものづくりの魅力にも気が付きました。女性や文系でも活躍できるのか、現場作業の様子も見せてもらえたら、もっとイメージが湧くのかなと思いました。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 2年生 K.R.さん
北條組は建設業なので力仕事というイメージがありましたが、AIやドローンも活用していて、何より誇りを持って仕事をしている様子が伝わってきました。長野都市ガスは自分もガスを使用しているので身近な存在ではありましたが、グループワークを体験したことで、お客さまとのコミュニケーションを大切にし、インフラを通じて地域に安心を届けていることを実感できました。
清泉女学院大学 人間学部 1年生 U.S.さん
大使の活動を通して、私たちの生活には多くの企業が関わっていることを実感できました。実際に社員の皆さんと近い距離で会話もし、仕事のやりがいや残業時間など気になることをたくさん質問することができて、働くことへの不安が減り、イメージをつかむことができました。今後も気になることや、やってみたいことに積極的に挑戦していこうと決意しました。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 2年生 K.Y.さん
長野県信連では先輩職員の皆さんが自分の職場のことをうれしそうに話していた姿が印象に残りました。甲信マツダでの営業体験は、お客さまとどう打ち解けていくのかを感じる良い経験になりました。大学には県外から来た友達も多く、「長野で就職するのは考えにくい」という声も聞きます。県外出身の学生にも伝わるような“長野で働く魅力”をもっと発見できたらよかったです。
長野県立大学 グローバルマネジメント学部 3年生 Y.K.さん
長野市で働きたいと思っているので、実際に就職したらどんな人たちと働けるのか知りたくて参加しました。新光電気工業と北條組を訪問し、社員の皆さんが優しかったことと、自分の仕事に誇りを持っていて、仕事が好きだと伝わってきたことが印象に残りました。同世代の学生には「長野市で楽しく働いている社会人がたくさんいる」ということを伝えたいです。
参画企業のご紹介
株式会社R&Cながの青果
【青果物卸売市場】産地と販売先・消費者をつなぐ。青果物の安定供給を担い、長野県から豊かな食を支えています。
株式会社甲信マツダ
マツダの新車を中心に各種中古車の販売、保険・JAF取扱いを通して、長野・山梨のお客様に安心と快適を提供する仕事
新光電気工業株式会社
半導体パッケージの領域で、世界が認めた高品質・高機能な製品を生み出し続けています。
中央電機工業株式会社
水力発電関連の各種制御システムの設計・開発・製作・施工・メンテナンス
長野県信用農業協同組合連合会(長野県信連)
BtoBの金融機関。JAバンクの県本部として、みどり豊かな信州の「食」「農」「地域」の持続的発展に貢献します。
長野證券株式会社
金融商品取引業 – 証券業(お客様のニーズに合った金融商品の提案・販売等)
長野都市ガス株式会社
ガス事業、小売電気事業、燃焼器具および住宅設備機器の販売など
株式会社北條組
道路や橋などの公共事業から一般住宅まで、土木・建築・住宅事業を幅広く請け負う総合建設会社
市内学生市内就職応援事業(主催:長野市商工労働課雇用促進室)