選考で勝ち抜く!企業が求める人材のポイントと面接対策

 

 就活において面接は、企業に自分の人となりや志望する意思を伝える場です。企業との相性、思考の整理力や対話力、企業への理解度など、さまざまな観点から評価が行われます。


本記事では、企業が選考で重視している主な視点や、面接に臨む際のヒント、よくある質問例への備え方をご紹介します。準備を進める際の参考になれば幸いです。

 

 目次

1. 企業が選考で重視する3つのポイント

2. 面接官はここを見る!評価基準と効果的なアピール方法

3. 面接でよく聞かれる質問例と回答のコツ

4. まとめ

 

1. 企業が選考で重視する3つのポイント

 2024年秋に長野県就活ナビが県内企業に対して実施したアンケートによると、長野県内企業が選考・採用する中で最も重視するのは「人柄」です。

 ただ、「人柄」の評価は言い換えれば企業との相性であり、努力で変えられる部分は多くありません。そこで、この章では企業が選考で重視するポイントの中から、意識すると選考で有利になるものをピックアップしてご紹介します。

 

 論理的思考力:課題解決力を見抜く質問が増加中

 企業は、入社後にさまざまな課題に直面することを想定して、選考段階においても課題解決に必要な、論理的思考力や物事を深く考える力を重視しています。特に近年は、状況を整理し、筋道を立てて説明する力を問う傾向が強まっています。実際の選考では、次のような方法で思考力が評価されます。

 ケース面接 : ビジネスシーンを想定した課題が提示され、応募者が解決策を発表する。制限時間内で考え、論理的に伝える力が問われる

 深掘り質問 : 自己PRや志望動機について、さまざまな角度からより詳細で具体的な内容についての質問をされ、自己分析や企業研究の深さを確認される

 適性検査 : SPIなどの適性検査で、設問意図を見抜き、要点をつかむ力を測る問題が含まれる

 

 コミュニケーション力:対話の中で協働力も評価される

 多くの企業では、コミュニケーション力を「単に話せる力」とは考えていません。周囲と連携しながら成果を上げる“協働力”が伴っているかどうかを重視しています。面接では、以下のような場面でその力が見られています。

 受け答えの姿勢 : 質問に対して丁寧に耳を傾け、簡潔かつ的確に答えられているか

 相手を尊重する態度 : 面接官の話をさえぎらず、適度な相づちやリアクションができるか

 エピソードの説得力 : 具体的なエピソードを交えて、周囲と連携して成果を上げた経験を説明できるか

 

 志望度の高さ:企業理解と熱意がカギ

 企業は「自社で本当に働きたいのか」を常に見極めています。そのため、志望度の高さは選考で欠かせない評価ポイントです。次のポイントを押さえることで、志望度の高さを効果的にアピールできます。

 企業研究の深さ : 公式サイトや財務状況などを確認できる「IR情報」だけでなく、業界の動向や競合との比較までできているか

 なぜこの企業か : 他社ではなく、その企業を選んだ理由を具体的に説明できるか

 入社後のビジョン : 将来的にどのような貢献ができるか、自分の成長イメージとともに話せるか

 

2. 面接官はここを見る!評価基準と効果的なアピール方法

 評価を左右する第一印象

 面接が始まった瞬間から、面接官は第一印象をチェックしています。清潔感のある服装や髪型、きびきびとした動作、自然な笑顔などがプラス評価につながります。第一印象はたったの数秒で決まるともいわれるため、次のポイントを意識しましょう。

 服装・身だしなみ : リクルートスーツやビジネスカジュアルの正しい着こなしを確認

 あいさつ・所作 : 面接室への入り方、座り方、退室時のマナーなど基本を徹底

 表情・声のトーン : 明るい表情と聞き取りやすい声量を心がける

 第一印象は事前準備で改善できる部分も多いので、模擬面接などで客観的な意見をもらうと安心です。

 

 論理的でわかりやすい話し方

 どれほど内容が良くても、話がわかりづらいと評価が下がることがあります。面接官は「論理的で簡潔に話せるか」を重視しているため、次のポイントを押さえておきましょう。

 結論ファースト : 質問に対して、まず結論を伝えてから理由を述べる

 エピソードの具体性 : 体験談は数字や成果を交えて説明する

 適切な長さ : ダラダラ話さず、1~2分程度で端的にまとめる

 面接練習の際は録音して自分の話し方やその内容を確認することで、改善点が見つかりやすくなります。

 

 採用意欲を高める自己PRと志望動機

 自己PRや志望動機は面接の中でも特に重視されるポイントです。自分本位な内容ではなく、企業が「この人を採用したい」と思う要素を入れることが大切です。事前に以下のポイントをよくチェックしておきましょう。

 企業が求める人物像 : 募集要項や企業理念をよく読んで理解し、自分の強みと結び付ける

 エピソードを大切に : 自分の強みの根拠となる具体例(エピソード)を盛り込む

 成長意欲を示す : 入社後にどう貢献したいか、前向きな意欲を伝える

 

3. 面接でよく聞かれる質問例と回答のコツ

 自己PRの質問と回答のポイント

 「あなたの強みを教えてください」「自己PRをお願いします」などは定番の質問です。ここでは、自分の強みを一貫性のあるストーリーで伝えることが重要です。次の点を意識して準備しましょう。

 結論から話す : まず「私の強みは○○です」と端的に伝える

 根拠を示す : 具体的なエピソードで強みの根拠を説明する

 企業をよく研究する : 応募企業が求める人物像と自分の強みを結び付ける必要があります。注意すべきは、「自分を偽る必要はない」ことです。自分の強みの中から、企業が求める人材に必要なポイントを探しましょう。

 

 志望動機の質問と回答のポイント

 「なぜ当社を志望するのですか?」という質問も頻出です。企業はこの質問を通じて、志望度の高さや企業理解の深さを見ています。回答を作る際は、次の3点を意識すると説得力が増します。

 企業研究の成果を示す : 業界内での位置づけや特徴を自分なりに分析した結果を具体的に話す

 自分のキャリアビジョンと重ねる : 自分の成長プランと企業の方向性を結び付ける

 他社との違い : 他社と受験先企業の違いを考える

 

 困った質問への対処法

 面接では「あなたの短所は何ですか?」「最近気になったニュースは?」など、答えに困る質問が出ることもあります。これらは反射的に答えるのではなく、落ち着いて対応することが大切です。次のポイントを意識しましょう。

 短所は前向きに : 改善努力や学びをセットで伝える

 時事問題は自分の考えを : ニュースの概要を紹介するだけでなく、自分の考えを述べる

 想定外の質問にも落ち着いて対応を : 意表をつくような質問であっても、面接官の意図を素早くとらえ、冷静に「聞かれたことに答える」のが大切

 

4. まとめ

 面接を突破するためには、企業が重視するポイントを理解し、評価基準に沿ったアピールが欠かせません。

論理的思考力・コミュニケーション力・志望度の高さを意識する

第一印象や話し方、自己PR・志望動機の完成度を高める

よく聞かれる質問に備え、困った質問にも柔軟に対応できるよう準備する

 これらの前提となる「企業の重視する内容」は企業研究によって得られます。長野県就活ナビに掲載の「先輩インタビュー」やそれぞれの企業のHPをよく読み、内定獲得を目指しましょう。

 

他にも、長野県就活ナビでは就活に役立つ記事を掲載中。記事一覧はこちらから。

 

執筆者プロフィール

味澤 泰征|長野県就活ナビ事務局

2018年に信濃毎日新聞に入社。マーケティング局所属。学生の長野県内企業への就職を支援する「長野県就活ナビ」の企画・運営に関わって5年目。県内の大学で就活講座の実施経験もあり。岡谷市出身、県外の大学に進学し、Uターン就職。趣味はゲームとパソコン。