自己分析は何のためにする?目的や分析の方法を紹介

2026年卒業予定の3年生は、いよいよインターンの申し込み・参加、業界研究など本格的な就職活動に向けて動き出す時期になりましたね。

数ある就活準備の中でも重要なのは「自己分析」。

ここでは、「自己分析」がなぜ重要で、何のためにするのか説明していきます。

また、具体的な方法や注意点もまとめていますので、ぜひご覧ください。

 

自己分析の目的

自分の志向性を明確化すること

自己分析の目的の一つは「自分の志向性を理解すること」です。

志向性とは「個人が持っている(向かっている)意識」のことで、大切にしている価値観や、物事の考え方のことをいいます。自分の志向性を理解することで、自分はどのような企業で働くことが合っているのか見つめ直せるようになります。例えば、どのような業界が向いているか、どのような社風や働き方が合っているのか、といったことが見えてくるでしょう。

自分の志向性がつかめれば、具体的にどの企業を受けるべきなのか決めやすくなります。就職活動全体の方向性を定めることにつながり、面接対策にもなります。面接の相手方も、志望動機やキャリアイメージについて質問してくるでしょう。その際、自らの志向性をしっかりと把握できていれば、そうした質問にもスムーズに答えることができるでしょう。

面接、書類審査でも、自分がその会社で働くことに対して意欲的であることを伝えられなければなりません。方向性がぶれていたり、自分の志向が明確でなかったりすると選考通過が厳しくなるのは必至。常に自分の志向性を振り返り、軌道修正を怠らないよう心がけてください。

 

自分のことを言葉や文章で説明できるようにすること

面接官や書類審査の担当者は、あなたのことを全く知りません。ですから志向性もさることながら、まずはあなたが、どのような人物であるのか自身で紹介できなければなりません。スキルや人柄が採用に向けた大きなポイントになるかもしれません。

自己アピールだけで就活には受かりませんが、アピールポイントをしっかりと伝えられるということは大きな強みになります。

自己分析には「自分のことを知らない相手に、自分という人物の特徴を伝えられるようにする」という目的もあります。面接の前に自己紹介のポイントをきちんと整理しておけば、より理解しやすい形で面接官に伝えることができます。

この時に重要なのは、自分のことをより明確に言葉で伝えられるかどうかであり、何か成功体験や特別な経験について語る必要はありません。

何ができて何ができないのか、事の大小ではなく自分をしっかりと分析し、客観的に言葉で表せるようになることが大切です。

実際に提出する書類や面接においても、自己PRはほとんどの企業で聞かれます。「学生時代頑張っていたこと」など、具体的な事例も交えて話せるようにしておくと、より有効な面接対策となるでしょう。

 

自己分析の具体的な方法

自己分析の目的を理解したところで、実際に自己分析をするにはどうすれば良いか、具体的な方法を紹介します。

 

自己棚卸し

まず、自分の過去の経験や実績を洗い出す「自己棚卸し」をしてみましょう。過去のアルバイトやインターン、プロジェクト、学業、部活動などの経験を書き出し、それぞれの経験から得たスキルや知識、感じたこと、成功体験や失敗経験を振り返ります。こうした作業を通じて、自分の強みや弱み、興味関心のある分野といったことが明確になってくるでしょう。また、身近な家族や友人と話すと、忘れてしまっていたエピソードを思い出すことも意外とあるのでおすすめです。

 

価値観リストの作成

自分の価値観や大切にしていることを明確にすることも重要です。例えば、「仕事のやりがい」「給与」「ワークライフバランス」「成長機会」など、自分が何を重要視しているのかリストアップします。このリストが、本当に満足できる企業や職種を見つける手助けとなります。

 

キャリアカウンセリング

プロのキャリアカウンセラーに相談することも一つの方法です。自己分析を進める中で迷いや疑問が生じた際、専門家の意見を聞くことで、新たな視点やアドバイスを得ることができます。キャリアカウンセラーは、あなたの強みや弱み、キャリア目標を一緒に考え、具体的な行動計画作りをサポートしてくれます。

 

パーソナリティテスト

現在はさまざまなパーソナリティテストが流布しています。「16パーソナリティーズ性格診断」や「エニアグラム」といった言葉を見聞きしたこともあるのでは。パーソナリティテストは、自分の性格や考え方の傾向、行動パターンを理解する一助になるでしょう。インターネット上にも無料で利用できるテストもあるので、自己分析の一助にしてみてください。

 

自己分析をする時のポイント

漠然と自己分析を行うのではなく、ポイントを押さえて取り組むことで効果が高まります。以下のポイントをチェックしてみてください。

 

自問自答を繰り返す

自己分析において、自分の経験したことや出来事を書き連ねることは簡単です。重要なのは、「なぜそのような結果になったのか」「なぜその経験をするに至ったのか」、「それらに対して自分はどのような感情を抱いたのか」ということです。これらの疑問を何度も自分に投げかけることで、自己分析の精度や質は高まっていきます。

一つ一つ自問自答を繰り返し、続けていくことで、面接官に質問をされた時に、自分について大抵のことには答えられるようになります。細部まで深堀りしていくことで自分の価値観や個性が見えてくるでしょう。

 

客観的な分析を心がける

自己分析は主観によるものだけでは不十分。客観的な視点から自分を見つめ直す作業も必要です。自分にとっての当たり前が他人にとっても当たり前とは限りません。また、ある出来事や経験に対して抱く感情は人それぞれです。自分を基準にしてしまうと、良質な自己分析はできなくなってしまいます。

客観性がないと、分析結果が自分にとって都合のいいものへと変わってしまう恐れもあります。自分視点から離れ、自分という人間を外から見て評価しなくてはなりません。

 

必要に応じて修正をする

自己分析は、一度だけでは十分な成果が得られていない可能性もあります。就職活動を進める中で、自己PRなどがうまくいかない場合には、自己分析をやり直してみることも検討しましょう。新たなアピールポイントが見つかることもあります。

 

自己分析で注意すべきこと

より良い自己分析のために以下のことに注意しましょう。

 

短所だけに着目すること

自分の弱みばかりを見つけてしまい自己嫌悪に陥ってしまうのもよくありません。自己分析では、短所と共に長所も分析していきます。そ

れらを踏まえた上で、自分はその短所をどう捉え、どのようにフォローしていくのか考えておくと、面接で自分の長所や短所を聞かれた場合にも、きちんと説明できるのではないでしょうか。自分の良いところも悪いところも、両面を見つめ直して評価していきましょう。

 

大学時代だけにフォーカスしない

自分の経験やスキルをアピールする場合、説得力を持たせようと、大学時代の出来事や何かしらの成果を挙げた事柄を主に説明することになるでしょう。

しかし、自己分析を行う段階では、大学時代だけに着目してしまうと「自分」の全体像がつかみにくくなる恐れがあります。

大学時代にだけ絞ってしまうと、具体的な出来事や経験が少なくて行き詰まることも。高校や中学時代、もっと幼い頃の出来事なども振り返って自己分析に役立てましょう。

 

<重要>企業の求める人物像を意識しすぎること

これは多くの就活生が陥ってしまう状況です。特に気を付けましょう。

既に希望する企業を明確に持っている場合、その企業が掲げている「求める人物像」に自分を寄せていってしまう可能性があります。特定の企業を意識し過ぎてしまうことで、本来の自分の強みや性質ではないことも自分が持ち合わせているかのように、自己分析をしてしまうことがあります。

特に問題なのは、経験していないことであっても、近い経験をした場合などに「経験した」と誇張してしまうようなケースです。

完全な嘘ではないにせよ、面接などで聞かれた際、どこかでずれが生じ、かえって印象を悪くしてしまうことがあります。また、仮に採用されたとしても、就活の際のミスマッチが端緒となり、退職するようなことになっては元も子もありません。自分の人物像を無理に企業に合わせる必要はないのです。

 

まとめ:自己分析は一度やれば終わりではない。

今回の内容はいかがでしたか。自己分析は自分に対する理解を深め、就職活動を成功に導くための基盤になるのです。

また、自己分析は一度すれば終わりではなく、常に見直しをして更新していくことが大切です。ポイントを押さえて、就活をスムーズにスタートさせましょう。